瀬戸内海クルーズ船と万博、IR

瀬戸内海縦断/周遊クルーズ船と万博/IR
1万2千総トンクラスの瀬戸内海クルーズに適した船を考えてみました。一隻100億円として、3隻作っても300億円。400~500人程度の定員が可能かと思います。全室アウトサイド、バストイレ付は今時の世界標準仕様にあわせています。


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長大な遊歩甲板は、最前部から最後部までゆったりとした幅を設けて、常に全周囲の景色が歩きながら楽しめるよう配慮しています。
ファンネルの左右には露天風呂付の展望大浴場を設け、それぞれを、道後温泉別府温泉としています。寄港時にそれぞれの湯を入れ替えて、日本屈指の温泉の醍醐味を味わえるようなくつろぎの空間を演出しています。
諸外国のクルーズ船には、この様な温泉文化はありません。
瀬戸内海の主要な港は、海外からのクルーズ船対応がなされており、寄港には特に問題はありません。何千億円単位で、しかも用地買収に時間がかかりすぎる鉄道インフラと較べ遥かに割安ではないでしょうか。
しかも、西日本全域に恩恵を施します。船は何処にも行けるのです。
例えば、一泊1万円、食事は3食全て付で、6日間のクルーズ。阪神港を出港して、小豆島、鞆の浦、宮島、別府、松山、高松、そして阪神港に帰る、そんな素敵なクルーズがあれば、国内だけでなく諸外国からも幅広く集客ができる筈です。この大きさの船であれば、かなりの瀬戸に入って行く事が出来ます。広島県音戸の瀬戸は余りにも狭くダメですが、同じく阿伏兎の瀬戸は航行可能かと思います。
このような庶民が手の届くクルーズサービスが万博を機に、日本船主の手で実現されることを願わずにはおられません。

〇今正に絶好の機会がやってきたのだと思います。諸外国からのクルーズ船の誘致に熱を上げる悲しい現実から脱却するいい機会ではありませんか?
世界中で10万総トン以上のクルーズ船は100隻以上、欧米やアジアからも沢山不定期に来航しています。他方、我が国には5万トンクラスが1隻、2万トンクラスが2隻、計3隻と言う体たらくなのです。
そろそろ、自前の国土にあったクルーズ船を整備すべき時にきています。今回の場合は、瀬戸内海と言う海域です。10000トン前後の船が大きすぎず、小さすぎず、といったところでしょうか。

〇西日本にとって極めて大きな2025年の大阪万博決定、更にIRが同じころに誘致すべく大阪府大阪市が一丸となって突き進んでいます。場所は大阪港の舞洲ですが、地図を見ればわかる通りむしろ阪神港と言うべき場所にあります。舞洲から神戸の六甲アイランドまでは僅か8キロ、神戸空港まででも13キロの距離にある訳です。
更に交通インフラの整備日程が大きな課題となっていますが、西日本全体を見たとき、東西400キロ以上に及ぶ瀬戸内海をぐるっと周回するクルーズの定期船を就航させるのが手っ取り早く、又安上がりな方法ではないでしょうか。
西日本のインバウンドを含む活性化の為、是非とも関西丈でなく、中四国、九州の経済界が結集して、クルーズ船運航会社を設立してほしいと切望しています。勿論、既存の船会社が母体となってもいいのですが、この際、関東系は排除すべきかと思います。
〇昔は海がそれぞれの島をつないでいました。が、今や海が各島を分断している障害物とさえ言われるようになりました。
しかし一方、瀬戸内海の観光資源としての大きな役割が見直されているのも事実で、各府県単位では、新規のクルーズ事業があちこちで行われています。でも、府県単位では小さすぎて大きな発展には結びつかないと思います。海がそれぞれの島をつなぎとめる、そんな時代の再来が有ってもいいのではないでしょうか?
明治時代に、西日本の船会社が大同合併して、大阪商船や関西汽船が設立され、瀬戸内海を中心に更にアジア方面にまで航路を張り巡らしました。そのような覇気が今の西日本の海運界には求められているのではないでしょうか。又と無い絶好の機会が到来したとは思いませんか。瀬戸内海のルネッサンスです。
〇既存の阪神と九州を結ぶフェリーの魅力
一方、最近の動向として、急速に進んだ大型フェリーの個室化、及び豪華さがあります。
瀬戸内海に於いては、僅か一泊とは言え、展望大浴場、展望室、展望レストラン、展望プロムナードデッキ等、夜間航行の船にあるまじき立派な設備を誇示して、集客に結びつけている訳です。
手軽な安価なクルーズとしての一定の魅力はありますが、瀬戸内海の魅力を堪能させるクルーズには、ほど遠い存在であるのも又事実。FT(フェリーターミナル)は大型トラックの広大な駐車スペースを確保すべく殆どが新しい埋立地で、とても船から見て綺麗な景色とは言えません。
但し、ホテル替わりの移動する安いホテルと言う魅力は確実にあります。
昨今、京都 大阪のホテルは何時も一杯で、部屋代もどんどん高くなってきています。そんな中、九州から大阪まで、個室シングルでネット利用で7千円台からあると言うのは、JRを利用して、大阪のホテルに泊まる、のと較べてはるかに格安となるでしょう。
又、15000トンを超えるこれらフェリーは瀬戸内海の島々を巡るには大きすぎるのです。このトン数は、総トン数と言って外国に行くと、途端に世界標準の国際総トン数、35000トンにもなる巨大船になります。これは、カーフェリー等の車両甲板で密閉されないデッキを持つ船特有の日本だけの規格によるものであり、普通のクルーズ船、例えば日本で2番目に大きな28000トンのパシフィックビーナスは、日本での総トン数と、国際総トン数とは余り差異がありません。船のトン数とは、結構ややこしいのです。
前述の12000トンのクルーズ船ですが、若し同じ寸法で、カーフェリーだとすると、車両甲板の面積にもよりますが、多分、6000トン位になってしまいます。
〇先ず、瀬戸内海のクルーズ船を就航させ、次には同じクラスの船で 中国を含む東アジアの海域に進出し、更に、大きな船で大きな市場に出ていく。西日本のアイデアを結集してほしいものです。
今、新しい仕様の、同じ12000トンクラスを考案中です。