初めての進水式

この人生、初めての進水式に行って来ました。

◎朝10時前、造船所正門の守衛さんに聞きました。
「今日の進水式、見学したいんですけど、どう行けばいいんですか?」
すると、彼は笑いながら、
「入ればすぐにわかりますよ」との事で、とにかく入って行った。巨大な船殻工場が正面に聳えている。
天気は良し、左から朝日が差し込んでいる。
突然工場の左側に巨大な物体の空気を感じた。逆光に浮かぶマッコウクジラのような異様な構造物、視線を上げていくと朝顔状に覆いかぶさってくる船首構造物、その下の赤く塗られた球状船首であった。黒く塗られた船体から突出している錨の収納部の大きな張り出しが逆光の下、黒いシルエットとなっている。
その時の印象をイメージした画です。


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巨大船の全体の迫力とは凄い物、これが初めての進水式の実直な印象でした。

呉市川尻町の神田造船所、3月22日、本社工場第2船台での10時半からの進水式を見学しました。
既に30分前には紅白の垂れ幕やくす玉、五色のテープなどは準備され、船首近くには儀式用の櫓が組まれています。
この船、16500重量トンのバラ積み貨物船で、長さ135m、幅22.6mの今の世界標準では小型の船です。先ほど、巨大船、と書きましたが、印象と実際とは異なるわけです。
神事の後10時半、船台に固定している台車のトリガーが外され、音もなく動き出した船体。見学できるのは船首部丈で船台の奥、即ち船尾方向は立ち入り禁止になっていて、船尾が着水する場面は見る事が出来ませんでした。


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船大好き人間としてやってきましたが、恥ずかしながら進水式は初めての経験で、日ごろは見る事の出来ない喫水線下に隠れている船体を始めてみた感激、とも言えるでしょう。

船首部に貫通した直径2m近い穴。バウ_サイドスラスターです。差し込む逆光の中、スクリューがシルエットとなってはっきりと見えます。予想よりはるかに巨大な装置だと思いました。
これは、出入港の操船時等で、横方向の移動時に使うものです。


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今の造船はブロック工法で、進水時にはほとんどの主要部品が取り付けられています。荷役作業用のジブクレーンや航海用レーダー等も既に取り付けられていました。
この後、艤装、試運転等を経て4か月後に船主さんに引き渡しとなるそうです。
ギャラリーは数十人と言ったところ。結構女性の方もおられました。


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船名は ASIAN  FLOWER です。

尚 最後に、奥に位置する隣の船台ですが、クルーズフェリーが建造中でした。980総トンで夏には、広島~松山に就航するそうです。非常に楽しみな船です。


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船を造るのは、総べて個別建造で工事に携わる方々の苦労に感謝しながら、造船所を後にしました。