クルーズフェリー乗船記

昨年、相次いで就航した瀬戸内海汽船石崎汽船の各新型フェリーに乗ってきました。


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3月18日、昼の12時半頃広島港を出るシーパセオのイメージ画像です。右手に見える島は似島と言い、この角度から見える形に限って安芸の小富士とも呼ばれています。

他の角度から見たら普通の島になってしまいます。その背景は江田島になります。


〇この航路は一般には広島、呉、松山フェリーと呼ばれていて、広島の瀬戸内海汽船、松山の石崎汽船との共同運航で各2隻ずつ配船されています。何れも船齢30年前後に達した船の代替船として、新しいコンセプトの下で建造されました。クルーズフェリーとも呼ばれています。今はそれぞれ各1隻が新造船に置き換わっていると言う事です。

バリアフリー化、省エネ化 そして近年増え続けるインバウンドを含む観光客対応のための設備増強と言ったところでしょうか。

後残りの各一隻も今年中に新船に置き換わり、計4隻のリプレースが完了する予定です。これについては又後述したいと思います。
呉港ですが、JR呉駅からは呉港旅客ターミナルまで陸橋で繋がれていて、非常にアクセスに優れた港です。正面右手がそのターミナルです。


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途中、陸橋の右側になりますが、大和ミュージアム等があります。でも今はコロナのおかげで休館中でした。


〇先ず瀬戸内海汽船のシーパセオです。この船は、昨年の4月3日に神田造船所進水式が執り行われ、8月に就航しました。進水式については当時のブログを参照ください。
今回は呉港から広島港までの45分の短い船旅です。松山港を朝の9時35分に出港した本船が11時過ぎ呉港に入港した時の画像です。特異な船型が印象的ですね。


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11時30分に呉港を出ました。僅か10分足らずの停泊です。直ぐに船内の視察を開始。船内は各種の異なったコンセプトの客室が落ち着いた配色の中で綺麗に配置されています。船尾の“はなれ”と言う展望ラウンジは円形で団体客用となっています。観光バスのお客さんに配慮したと思われる素晴らしい眺望の部屋です。

 

同心円で構成されている中庭には、デッキチェアーが配置され、上の展望デッキに螺旋階段でつながっています。

展望デッキから下の中庭を見下ろした画像です。左下の奥が前述の展望ラウンジです。

背景には呉造船所に入渠中のタンカーがうつっています。


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その展望デッキには、これが一番の特筆すべき空間と言いましょうか、東屋が7カ所配置されていたり、又人工芝が敷かれているスペースもあったりと広場のようなデッキになっています。

画像は最後尾の東屋から去り行く呉港を見ています。ここで冷えたビールを飲んだら美味いやろうな、と思いつつ次の船内見学に移ります。時間がありません。

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“ごろね”と名付けられた部屋です。ごろ寝の目線に窓を配置している、と言うコンセプトです。

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尤も窓際に若干の段差が有るので普通に寝た位置からは空しか見えないような気がします。カーペット面と面一に窓を配置すべきだったかな、と個人的には思いました。


〇さて、途中広島港から反航してきた瀬戸内海汽船の“四万十川”とすれ違いました。

江田島をバックに呉港を経由して松山港へと向かっています。


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この船、今年7月には新船、“シーパセオ2”にリプレースされますので、これが見納めかも? 新船は少し前の3月10日に神田造船所で進水しました。しかし、新型コロナの影響で残念ながらその進水式は一般には公開されず、見学することはできませんでした。

 

〇広島港が見えてきました。外貿埠頭にクルーズ船が停泊しています。


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ピースボートのオーシャンドリームです。この時節、少し違和感を覚えました。実際には日本のあちこちの港でこのような景色は今でも回数は減ったかもしれませんがあるのでしょう。東京のニュースにならない丈と言う事でしょうか。

シーパセオは12時15分に広島港に入港しました。接岸して僅か10分ほどで慌ただしく出港です。そのシーンが最初のイメージ画像になります。


〇広島港では昼食等で時間つぶしをして、今度は午後1時55分出港の旭洋丸に乗船しました。こちらは石崎汽船の新造船で、去年の10月に就航しています。


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広島港に入港してきた旭洋丸です。

昨年の7月5日の進水式の模様は当時のブログで紹介した通りですが、その時のスケッチも参考に添付しておきます。


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この船は船内の設備を含め“シーパセオ”と比較すると新規性に乏しく、画像は省略します。唯、僅か45分の乗船記の事、実際に松山まで3時間弱の航海に於いては今回発見できなかった魅力が多々あるかもしれません。新規性丈で判断が出来ない要素があることを書き添えておきます。
尚、呉港への途中、今回は呉港から反航してきた石崎汽船の“翔洋丸”にも出会いました。


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前述の通りこの船も今年の秋には新船にリプレースされる事になると思われます。

〇最後に今回乗船した船のデータを参考として添えておきます。

シーパセオ 瀬戸内海汽船

 総トン数 980トン 

 全長 61m 幅 13.6m

 航海速力 15ノット

 船客 300名 (災害時440名)

 竣工 2019年8月 神田造船、川尻

旭洋丸 石崎汽船

 総トン数 875トン

 全長 62.6m 幅 13m

 航海速力 15ノット

 船客 300名 (災害時440名)

 竣工 2019年10月 内海造船瀬戸田