島根県江津駅の今

江津(こうつ)の駅
島根県江津市、ここは 石見神楽、石見焼きで有名な所で、そして日本三大瓦の一つ、石州瓦の産地でもあります。地場産業振興会館に展示ホールが有り、そこに行けばそれらの色々な情報が入るようになっています。
さて5月半ば、3年ぶりに山陰本線江津駅を訪れました。今回は駅前ではなく裏からの訪問。跨線橋を渡らず手前を右に折れて、線路の土手伝いに下ると駅の線路側が一望できるところに出ました。線路や駅舎の構造が良く分かる角度です。ある程度の俯瞰図とも言える位置です。


f:id:zhongjpn:20190604140537j:image

ホーム手前に五輪塔が何故かあります。

保線区の人が線路を確認しています。

 

何処でもそうですが鉄道の駅は赤錆びた鉄の粉が支配していて褐色の色で覆われています。この駅はそんな赤茶けた線路の間にも雑草が至る所にみられます。山陰本線の主要な駅の筈ですが訪れたときは1両のディーゼルも停車していなくて呆然としました。以前来たときは2編成の車両を見かけたのですが。そして人気はありません。寂しい限りの光景です。
でも午後1時前に一台のディーゼルが浜田方面から入線してきてほっとしました。その到着した島型ホーム、手前の端に何か造形物が、そう五輪塔です。駅のホームにそんなものがあったんです。何故でしょうかね?
スケッチをしていると保線区の人がホームにやってきて、その横で線路のチェックをしているのが目撃されました。やっと生きている駅の景色を見た事になります。
後で時刻表をチェックしたところ、1時過ぎに特急が入ってくるので、今停車中の車両はそれを待っている事が分かりました。同じホーム向かいに入ってくるんでしょう。山陰本線は殆どが単線で、でも1時間に2本から3本程の列車が運行されています。特急、快速、そして普通、この3種類があり結構すれ違いなど考えると過密、と言えるかもしれません。お客さんの数は別として、ですが。
尚、この駅には1984年に1000人以上の乗降者がありましたが、2016年には400人を割り込んだ、と言うことです。昨年の三江線廃止もあり、今は数百人にまで減っていると思われます。
行政は衰退する鉄道の駅をあきらめたのか、市の主要施設はかなり西側の国道沿いに集中しているようです。


f:id:zhongjpn:20190604140630j:image
地場産業振興会館、右手に山陰自動車道、江津インターが在ります。


f:id:zhongjpn:20190604140652j:image
正面。中に地場産業の紹介や即売所があります。

 

今回訪れた江津市地場産業振興会館なども山陰自動車道の江津インターの近くにあります。元々、人口減少に歯止めがかからない中、何故市はこのような分散投資をしたのか、個人的には疑問に思わざるをえません。
昨年の春、ダイア改正で三江(さんこう)線が廃止されました。あれから一年以上が経ちます。当時は一時的に三江線ブームが沸き起こり、旅行ツアーなども多数企画され、申し込んだんですがあいにく大雨で不通となり、ツアーそのものも中止となってしまった、そんな事もありました。
最後にもう一枚画像を添付します。 江津の街並みは石州瓦の赤が美しい家屋が点在しています。
前回ご紹介したように、東広島市に多く見られる西条瓦のルーツでもあります。


f:id:zhongjpn:20190604140713j:image

地場産ホール4階から見た町並み、背景は日本海

 

(参考)

三江線とは、広島の三次市から、日本海にそそぐ大河、江の川添いに江津に至る100キロを超えるローカル線でした。