尾道、鞆の浦航路乗船記


尾道鞆の浦航路乗船記
◎先ずは鞆の浦に着いた後のスケッチです。
奥の二重の塔が有る小さな島が弁天島で、左手に有名な仙酔島が横たわっています。この船は2時ごろ出ていきました。底引き網漁船と思われます。


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何度も来ている鞆の浦ですが、今回は、地元の無料ガイドさんについていくことにしました。いぶし銀のような渋い年配のガイドさんです。淡々とした語りでしたが、町中の立派な2階建てのクリニックの前で、過疎化に苦しむ鞆の現状を説明されたときには、少し声が大きくなったようです。最近、医院をやめられたそうです。観光客は随分と増えたそうですが、恩恵を受けるのはごく一部の人たちに限られているのです。
7人のお客さんのうち、一人地元の女性がおられました。町中の交通量の多い、狭い道路を嘆いておられました。鞆を通過する丈の車が殆どなのです。港に橋が架かったらどんなにか良かったのに、と言ってました。景観を守るため広島県知事は橋を認めず、山側にトンネルを通す事で決着しているのですが。そう言えば、景観論争は住民を二分する大論争にまで発展して、大きなニュースになっていました。架橋反対派だった自分としては少し複雑な気持ちに。実際に住んでいる人の気持ちは違うのかもしれません。
以下、今回のクルーズ紀行です。

 

◎2019年3月9日、瀬戸内クルージング、尾道鞆の浦航路に乗船しました。季節運行なので今年は、今日から秋まで土日祝日運行される事になっています。
10時に快晴の尾道を出港です。

写真のイメージよりははるかに大きな船で3人と2人掛けの椅子が通路を挟んでゆったりと配置されていました。


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勿論、後部のオープンデッキには椅子が用意されています。

船室は大きな窓に囲まれていて、景色は充分に楽しめるようです。


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出港後、直ぐに千光寺ロープウェイの船着き場で追加のお客さんが乗船されました。合計7,8人といったところでしょうか。
左上が、千光寺公園にある尾道城です。


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空は快晴、後ろのオープンデッキに居座って移り変わる景色を堪能しました。船の乗員は二人、船長と若い助手だけ。途中の観光ガイドは全て船長が操船しながら行います。要所要所では、船足を落として、結構、的をえたガイドをされていました。船長は忙しい、それに引き替え助手は航海中、集金以外暇そう。
さて、船は尾道大橋をくぐり、対岸の向島を抜けて松永湾に入ります。

右に、百島が見えてきました。最近、離島に別荘を建てる人が多いそうです。


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左に造船所が見えてきます。沼隈半島にへばりつく様に様々な船や設備が並んでいます。

右側の大型ばら積み貨物船は、先月19日に進水した ATLANTIC SAMURAI です。
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尚、この造船所東側の埠頭に商船三井の旧ふじ丸が係留されていましたが、この1月に姿を消しました。何処に行ったんでしょう?


右には田島が見えます。ヤシの木が海岸線に植えられています。大きな3階建ての建物は中学校です。


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内海大橋です。沼隈半島の千年町と田島を結んでいます。橋の途中でくの字にカーブしていてとてもきれいなユニークな橋です。

浅瀬に橋桁を築いたのでこうなったみたいです。


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この橋桁の基部、結構広いんです。上の橋から螺旋階段でここまで降りられたら良いのに、と思いました。観光資源になると思いますよ。

船は、阿伏兎の瀬戸に入りました。前が大きく開けてきて、左側の岬の突端に有名な阿伏兎観音が見えてきました。


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端を回り込んだ方向からです。折しも他のクルーズ船が反航してきました。


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元々は航海の安全を祈って建てられたのですが、今は安産のご利益があるとの事です。


前に燧灘が大きく開けて見えてくると左手に鞆の浦が見えてきます。ちなみに灘と言うのは島々のない大きな海域の事です。
船は左に舵を切って、間もなく正面に鞆の浦の港や、仙酔島等が見えてきました。


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下船後は前述の通り、鞆の浦の散策に出掛けました。

最後に蛇足ですが下船の後、若い助手はきちっと仕事をしていました。彼は半島に住んでいるが、おじいちゃんが田島にいる、来ないかと誘われてるんです、と言ってました。


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