ある島の現実⑤

瀬戸内海、ある島の現実⑤
2019年9月6日までに、母屋を残して、全ての建屋、樹木が撤去されました。
丁度作業開始から1年、殆ど70歳以上の老人パワーで良くもまあ此処まで出来たもの、と感心するばかりです。
一本丈、神木として残した貝塚の巨木まで、ご丁寧に台風のおかげで無くなってしまいました、と少し自嘲気味ではありますが付け加えておきます。

f:id:zhongjpn:20190930092410j:image

足場が残っていますが、9月後半には撤去されている筈です。これで後片付けを残して、解体作業が終了した事になります。

手前の路地に輪切りにされた巨木の幹、夥しい量の枝葉が有ります。足場が撤去されたら運び出します。今は足場が邪魔になって一輪車やトップカーが通れません。


〇8月後半にミニのレンタルユンボが入り、レンタルの工事用足場が完成した事により、加速度的に作業は進みました。
ユンボ、足場共にレンタルですから期限が有ります。特にユンボは9月の7日頃には返さなければなりません。と言う訳でこの1年、ぼちぼちとやって来たわけですが、遂にフルパワーでの作業が8月下旬から9月初めにかけて行われたのです。非力な自分でも2日に一度の割合で作業に加わりました。

8月16日の台風10号による倒木は、友人の知り合いの大工さん(73才)が長径50㎝もある貝塚の幹を1日で輪切りにしてくれました。その上で、友人の子供さんは、横倒しの幹の上部にロープを掛けてミニユンボで引っ張り、何とか友人の敷地内に引き入れました。起き上がりこぼしの感じです。

f:id:zhongjpn:20190930092442j:image

〇本来の納屋の解体作業は延べ5日位かかりました。瓦は殆どがあらかじめユンボで掘った穴に埋めてあるので、今回は大棟の解体、垂木、梁の解体、そして柱の解体。その柱は強固な土壁で囲われています。土壁の厚みは15㎝以上、蔵の部分ではそれ以上の厚みがあります。先ずそれをバール等で叩き出し柱から分離しなければなりません。その土壁の中には竹をシュロ縄で編んだ頑丈な竹組があり、柱を切る前にその壁を崩すわけですが、大変な作業です。更に最終的に竹は土壁から分離しなければ処分出来ません。これも大変な作業です。竹は100年近くたっても全く劣化していないが驚きでした。

f:id:zhongjpn:20190930092455j:image

〇9月6日現在、残ったのは足場丈なので、ご近所の建屋がはっきりと見えるようになりました。奥の納屋の壁面は、今回解体した納屋とほぼ同じ妻の形をしています。我が友人もビックリされていました。その右側の路地が駐車場へと続いています。
作業の実績を実感する為に一年前の鳥瞰図を添えておきます。


f:id:zhongjpn:20190930092517j:image

尚、後に残った立派な母屋、これが今後どうなるかも楽しみな所ではあります。現状では一部補修はされておりますが、人が住むには程遠い状態です。しかし、この1年で予定通りの作業を完了させた友人の事、更なる挑戦が待っているのかも知れません。そう期待したいものです。