西条酒蔵ボランティアガイド日記②

西条酒蔵ボランティアガイド日記_2
◎今回は先ず、比較的駅東側にあります福美人酒造の正面入口からのスケッチを見てください。


f:id:zhongjpn:20190731103152j:image

こちらの蔵は、門を入ると瞬時に巨大な煙突が正面に聳え立ち、大抵のお客さんはその巨大さに驚嘆されます。酒蔵巡りコースの中で間近に見れて、手で触れることが出来るのは此処くらいでしょうか。イギリス積みと言う形式のレンガの積み方も極めて分かりやすいのです。何せ間近なのですから。ここでは、質問形式で“この煙突、高さなんぼぐらいと思われます?”と言う事にしています。これも、お客さんをこの酒蔵通りの魅力に引き入れる一つの方便かと。
50メートルとか100メートルとかいろいろな答えが返ってきますが、実際は25メートル程、とはいってもレンガ積みの細長い構造物で、8階建てのマンションに相当する高さなんです。
福美人酒造では、毎年、瀬戸焼の干支ボトルを数量限定で販売されています。
甘口と言われています西条の酒の中でも、特に甘口となっています。

◎この福美人の西隣(西条駅側)は亀齢酒造の酒蔵ですが、その境界を画像で紹介しておきます。密集している酒蔵の典型的な場所なので。


f:id:zhongjpn:20190731103241j:image

左側が亀齢酒造、奥が福美人酒造ですf:id:zhongjpn:20190731103305j:image
その境界です
ここもガイドをする時の定番になりました。
蔵と蔵の間は何と軒瓦が錯綜しているようにみえますね。もしかすると平面で見ると本当に重なってるかも。


ついでにもう一例、これは賀茂鶴の壱号蔵と白牡丹酒造の延宝蔵の間です。


f:id:zhongjpn:20190731103323j:image

手前が賀茂鶴、奥が白牡丹 及び西条駅ロータリーです


f:id:zhongjpn:20190731103340j:image
境界部分の黒塀、左が賀茂鶴 右が白牡丹

ちなみにこの左奥には西條鶴醸造があるので、それも関係しているかもしれません。


◎さて、ガイドの方ですが、7月初めに、初めて25人と言う団体のお客さんをご案内しました。
多人数の場合20人以上は、ガイドが二人付く事になっているそうなので、大先輩に着いていくことにします。
今までは、個人、それも鉄道、マイカーで来る方が殆どでしたが、今回は福山からの大型観光バスで来られました。駅前のロータリーでバスを出迎えるところから始まります。慣れない笑顔での出迎え、結構難しいです。降車は、先ずガイドさんが降りられますのでザーッとガイドの予定を説明します。勿論、大先輩の仕事です。
其の後、全員が降りられたら酒蔵通りのパンフレットを端から配ります。
あらかじめ人数の半分ずつで分けていまして、お客さんはパンフをもらったガイドに着いていくことになりました。成程、うまく出来ていますね。最初は25人を二人でどのようにして分けるんかな?と内心心配していたものですから。
3カ所を巡ります。先輩のグループに干渉しない程度に距離をとってガイドします。
今日のお客さんは会社の旅行で、殆ど皆酔っ払いです。朝から車内で飲んでるわけですね。JRでは荷物が気になり又、車では酒が飲めない、その二つの大問題を観光バスは解消してくれます。
白牡丹酒造では丁度社長がおられて、僕が入り口の昔ながらのはね戸の説明をしていると、「じゃ、実際にやってみましょう」といわれて、開け閉めの実演をしてくださいました。


f:id:zhongjpn:20190731113615j:image
上にロープで天井の滑車を介して固定されています。夜にはロープを緩めてはね戸を降ろします。戸の幅は大八車に対応しています。
社長自ら朝晩ご自分で開け閉めをされるようです。
ちなみに、この社長は島家15代目で、1600年の関ヶ原の戦いで討ち死にした島左近の末裔と言う事です。
 
次は西国街道に沿って少し西側、亀齢酒造の案内です。お客さんの中で一番酔っている方でしたが、物知りな方で説明しようとしたら、「これ、誰でもわかりますよ、毛利元就の家紋でしょう」と、先に言われてしまいました。


f:id:zhongjpn:20190731103602j:image

通りに面した蔵の切妻上部に描かれた亀齢の家紋です。毛利元就とこちらの創業者とは同郷で、毛利の家紋を頂きそれを丸で囲って家紋としたらしいです。安芸高田市吉田の生まれで遠縁になるとか。
この亀齢酒造のこの蔵はこじんまりとしていて大変綺麗な佇まいです。

最後は、賀茂鶴酒造です。
こちらでは、皆さん沢山の買い物をしていただき、お店の方も終始笑顔で応対してくれました。観光バスで来られたお客さんて、荷物を気にしないので少々酒が重くても買ってくれるんですね。勿論、白牡丹、亀齢 でも同様でしたが。
所定の時間に駅前のロータリーに皆さんをお送りして仕事が終了しました。
出ていくバスに笑顔で手を振ってお見送りです。苦手な慣れない仕事ですが、何でも経験と言う事で割り切りましょう。
お客さんも年寄り二人に見送られても余り嬉しくないやろうな、と思いながら観光案内所に戻り、これで予定が終了しました。
終わり